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念願の味に又一歩近づけました
構想2年、設計2ヶ月、実用テスト・設計変更2週間、やっと魔法の箱が出来ました。
「魔法の箱?」何それと思われるでしょう。これまで色々と工夫を重ねて、私なりに美味しいお豆腐を作るために様々な工夫をして参りましたが、どうしても実現出来無い味がありました。昔地釜でゆっくりと炊きあげた究極の手作り豆腐の味がどうしても弊社の釜では実現出来ませんでした。私なりにかなり近づけたつもりですが、どうしてもあのまったりとした味わいが実現出来ませんでした。いったい何が違うのだろう?・・。長年悩み抜いた結果たどり着いた結論は炊きあげるのに使った時間だと、しかしそれは実現するのが大変難しい問題です。
同じ釜を使って時間を倍にすれば生産性は半分になります。昔の地釜では炊きあげるのに20~30分要していましたそれは我々メーカーの4倍から6倍の時間になります。とても実現出来無い数字です。でも全炊きあげ時間を延ばさなくても一番肝心な温度帯の時間を延ばしてやれば実現出来るはずと考えて、様々にテストを重ねついに魔法の箱の製作に取りかかりました。
テストを重ねながら色々と設計をやり直しやっと2週間前にこれなら大丈夫と思える一号機が出来ました。がしかし思わぬトラブルが時間と共に発生し、頭を抱えてしまいました。40℃を越える釜の前で何時間も魔法の箱を見ながら打開策を考え続けました。シャツもパンツもボトボトです。
そんなことを数日重ねた後、暑さでぼーっとなりかけた頭に解決策が、パッと浮かんでくれたのです。早速、魔法の箱を鉄工所に持ち込んで削ったり付けたりと他の仕事を止めて大至急で遣って頂きました。なんとしても浮かんだアイデアをすぐにテストしたかったのです。
こんな我が儘につきあって下さった鉄工所は笹岡鉄工所さんです。横でつきっきりに成って出来たやつをすぐ持って帰り又テストです。拝むような気持ちで見つめました。ムムッよっしこれならいけると確信出来る状態でした。もう少し手直しをして、やっと「魔法の箱一号」が出来上がりました。
今までの豆腐とどう違うのかと言われると中々説明が難しいのですが、例えばカレーやシチューをできたてに食べるより、翌日食べた方が円やかで味にこくがあるように感じると思うのですが。そのような差かなと思います。